健康診断
健康診断
ワンちゃんやネコちゃんは、体や声を使ったいろんな方法で私たちに感情を表してくれます。ですが、どんな子でも私たちのように言葉を使ってお話しすることは出来ません。そのため、「お腹が痛いなあ」「ちょっとしんどいかも」といった不調も、私たちのようにはっきりと喋ってくれることがない分、普段の様子からワンちゃんネコちゃんたちの不調がないかを判断することが大切になります。ですが、ワンちゃんネコちゃんの不調を見極めるのはとても難しいこと。ワンちゃんネコちゃんのご先祖たちは、きびしい自然の中で生きていました。そんな世界では、病気やケガなど弱みを見せることは、命の危険にもつながることです。その名残から、たとえ私たちがお世話している子でも、弱みを隠そうとする本能が身についています。
ワンちゃんネコちゃんたちの不調は、出来るだけ取り除いてあげたい、と考える飼い主さんも多くいらっしゃるでしょう。そのための方法で、健康診断で問題がないかを確認することが、不調を取り除くヒントになると当院は考えています。万が一病気が見つかっても早期治療をすることで回復に導けたり、治療の選択肢が見つかるケースもあります。また、健康診断で問題がなかった場合でも、そのデータから生活習慣の改善策を探していくことや、将来不調が見つかった時の比較用のデータとしても活用することが出来ます。
ワンちゃんネコちゃんも、昔と比べて長生きする子も多く見かけるようになりました。シニアと呼ばれる年齢(7歳以降)のワンちゃんネコちゃんたちは、私たちと同じように病気のリスクも年齢とともに上がるので、年に1~2回の定期的な健康診断をおすすめしています。
※健康診断は予約制となりますので、事前に飼い主様と相談することで検査予定日を決めるプランになります。
当院では、血液検査、尿検査、便検査、レントゲン検査、超音波検査を受け付けています。
健康診断と聞くと、この検査を連想される飼い主様も多く見かけます。血液は全身を巡っていく中で、いろんな臓器たちから体に関する情報をもらっていきます。この検査は、一口に「健康かどうか」を見るだけでなく、「脱水や貧血が起きていないか」や「肝臓や腎臓などの内臓に病気がないか」「炎症がないか」などを、血液の成分をそれぞれ数値にすることで見ることが出来ます。また、何か異常が見つかった子の場合は、「この内臓はちゃんと働いてくれているか」「この治療は効果が出てくれているか」など、その子に合った内容でも検査を行うことで、より綿密に原因や病気を特定していきます。
飼い主様から見たワンちゃんネコちゃんの不調の内容が大まかなものでも、血液検査がはっきりとした原因を絞り込んでくれることで、その子に合ったお薬や治療プランを相談、設定していきます。
※検査結果が出るまでは、採血から10分~15分ほどのお時間をいただきます。
血液検査と比べると、あまり注目されにくい検査ですが、尿は意外にも病気や健康に関する情報がたくさん含まれています。文字通り、泌尿器系の異常はまず尿に現れるといっても過言ではありませんね。尿を作るうえでは、腎臓、膀胱、尿管、尿道が関わりを持っています。それらに異常があっても、自覚症状はなかなか現れにくいものです。また、尿は泌尿器系だけでなく、「全身性の病気の検査」としても見ることができます。
尿検査は、体への負担の少なさに比べてたくさんの情報や可能性を読み取ることができます。
また、当院の場合、尿検査の予定で専用のスポンジをお渡しした方は、ワンちゃんネコちゃんがお留守番でも、スポンジにしみ込ませた尿だけをお持ちいただければ検査することができます。
検査に使う尿は、排出されてから3時間以内のものをお持ちください。
ワンちゃんネコちゃんの便を、顕微鏡で観察する検査です。
・便に寄生虫や原虫がいないか
・便の硬さは問題ないか
・細菌の分布はどんな感じか
・粘膜や血が混ざっていないか
・消化の状態はどうか
といった、便の状態や不調の原因を調べています。
また、不調の原因が寄生虫なのか、または「お腹が冷えた」、「食べすぎた」など日常的に起こりうるものかを、便検査と一緒に飼い主様への問診ともあわせて絞り込み、特定していきます。
検査をご希望の方は、ワンちゃんネコちゃんが最後に出した便をお持ちください。
私たちが受けられる人間ドックにもあるように、ワンちゃんネコちゃんにも「健康状態をチェックする方法」としてレントゲン検査が利用されています。レントゲンは、ワンちゃんネコちゃんの見た目や触診では見つけにくかった不調を探してくれることで、診断を進めていく上で大事なヒントとして役立ってくれることもあります。
*レントゲンで見ているところ*
・尿路に問題はないか
・関節や骨の問題がないか
・腫瘍や結石が隠れていないか
・呼吸器系や循環器に問題はないか
・歯や口腔環境の状態を細かくチェック
・心臓や肝臓などをはじめとした内臓の大きさや状態に問題はないか
※当院では基本、レントゲンと超音波検査とセットにして、ワンちゃんネコちゃんにそれぞれ考えられる診断を絞り込んでいきます。
エコー検査、という名前でも聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。当院では、超音波検査は「心臓検査」と「腹部検査」に分けて検査しています。
*心臓検査*
主に、聴診やレントゲン検査で心臓の異常が確認されたり、遺伝的に病気の可能性が高いワンちゃんネコちゃんにお勧めしています。心臓の不調、というものは色々なケースがあるので、その子にとってより良い治療を進めていく上では検査が必要になります。まずはレントゲンにて大きさや形を確認してから、超音波検査にて血液の収縮力や心臓の内部で負担がかかっている場所を確認したり、心臓の4つの弁の形や、弁の逆流がないか(あればどのくらいの逆流か)を確認しています。病気のレベルを把握できるとともに、その子にお薬が必要なら、どのお薬を与えるべきかを判断しています。
*腹部検査*
肝臓や腎臓のほか、膵臓、脾臓、胆のう、消化管、膀胱、前立腺、卵巣や子宮、リンパ節まで幅広く検査することが出来ます。レントゲンはシルエットとして大まかに見られるのに対して、超音波検査は臓器の形のほかに、腫瘍や結石がないか、炎症などがないかを細やかに確認できます。小さな異変も鮮明に映せるので、普段気づきにくい異常の早期発見に役立ってくれることもあります。
※正確に超音波を当てられるように、ワンちゃんネコちゃんの被毛によっては「超音波で検査する場所と周辺」のみ毛刈りさせて頂く場合がございます。また、検査を受けるワンちゃんネコちゃんに絶食をお願いする場合もございますが、お預かりする際にご家庭であげているご飯をお持ち頂ければ、検査が終わり次第当院にて給餌いたします。
当院では以下の流れで健康診断を行っています。
※検査を受けるには、事前に検査予定日を予約していただく必要がございます。
健康診断の当日午前10時までに、当院へワンちゃんネコちゃんを連れてお越しください。
お預かりしている間、当院の獣医師により、それぞれその子に合った健康診断を行います。ワンちゃんネコちゃんのご飯を持参いただいた場合、検査が終わり次第当院にてご飯を食べさせています。
当院の健康診断は日帰りです。獣医師から指定させていただいた時間以降にお越しください。
お迎えに来院された際、健康診断での結果をお話しさせていただきます。